オーストラリアの連邦警察に暗雲が立ち込めています。その中心にいるのは、自身の警察官、ウィリアム・ウィートリー氏です。彼は大胆な仮想通貨強奪事件に関与しているとされ、その被害総額は現在の価格で約420万ドルにも上る81.62ビットコインです。この事件は最先端の仮想通貨追跡技術を用いて捜査が行われており、デジタル資産のセキュリティと進化するサイバー犯罪の戦略について重要な問題を提起しています。
事件は2019年1月、連邦警察が麻薬取引の疑いで一軒の住宅を急襲したことで始まりました。その際に回収されたアイテムの中には、押収したビットコインを収容するTrezorハードウェアウォレットが含まれていました。しかし、3週間後に裁判所の許可を得てウォレットを開いたところ、ビットコインがすべて消えていたのです。
その後の捜査で、ウォレットのシードフレーズ（復元用の一意の単語列）が記録された装置が発見され、これが大きな転機となりました。この装置の存在により、仮想通貨追跡ソフトウェアを用いて、複雑な仮想通貨取引をたどることが可能となりました。IPアドレスの精密な分析により、ビットコインの移転先がウィートリー警察官のオンライン活動と直結していることが明らかになりました。
ウィートリー警察官は自身の無実を主張していますが、取引フローの詳細なマッピングを行うソフトウェアの証拠に対しては大きな疑念が寄せられています。この事件により、仮想通貨犯罪に対する法執行機関の追跡ソフトウェアの有効性が示された一方で、このような強力なツールの誤用や個人のプライバシー侵害の可能性についても懸念が高まっています。
出典：2024/02/18 「Crypto Probe Unveils Federal Officer’s Connection To Alleged Bitcoin Theft」 https://bitcoinist.com/crypto-bust-aussie-cop-accused-of-bitcoin-theft/
このニュースにコメントする